車のまち、ものづくりのまち豊田でコンサート with 名フィル

〈名フィル〉の愛称で親しまれている 名古屋フィルハーモニー交響楽団による『心に残る記念事業~豊田市中学生のためのコンサート』(主催/豊田市,豊田市教育委員会)。
名鉄豊田市駅に直結している「豊田市コンサートホール」に、市内の全中学校3年生「約4100人」が来場。遠い学校はバスで1時間半もかけて来てくれているそうです。

今回のコンサートマスターは、長年にわたって名古屋フィルハーモニー交響楽団のコンマスを務めていらっしゃる後藤龍伸さん。
指揮者が、これはフィガロ!ここは伯爵が登場して威嚇する感じ!このメロディーはスザンナと伯爵夫人のキャラクター、こっちはケルビーノのキャラクターで…など、思って指揮すると、「あ、そこスザンナっぽくね」「伯爵はこんな感じね」と音を作ってくださいます。
もちろん、そういう打ち合わせや会話をしている訳ではありません。
スザンナ!!と思って、その音色を指揮で求めると、「欲しいのはこういう音だよね?」「スザンナね!」と音で返してくれる、ということです。 後藤さん、凄いです✨
オーケストラ全体へ張り巡らしているアンテナから、ピシピシと司令が飛んでいき、まるでオケ全体が見えない糸でつながっているような状態になります。時には弾きながら「どうすんの?」というサインを指揮者に送ってこられることもあります。
言葉ではない「空気感による会話」。

名フィルさんはプレイヤーも事務局も、チームワークが素晴らしいのです✨
序曲がとてもいい感じに終わり「よし!!」と終わっても、拍手が鳴らない・・・😰
最後の音が終わって指揮台を降りて、お辞儀をするまで約7秒・・・😰😰😰
シーーーーーーンと静まり返った微妙な空気。。。
そう。「初めてオーケストラを聴く」という子がほとんどだから、拍手のタイミングもどうしたらいいのか分からない、、、このように変な間があくこともしばしばあります💦(今回は5回中3回)。
そういう時はMCで拍手の仕方についてもお話します。
公演はオーケストラの演奏を中心に、専属オルガニストの徳岡めぐみさんによるパイプオルガンの演奏や、豊田市在住のバス歌手伊藤貴之さんの歌唱、中学生のみなさんとオーケストラとの合唱共演(ワンポイントレッスン付!)など、「心に残る記念事業」と呼ぶにふさわしい特色ある魅力的な内容でした。

モーツァルト:歌劇《魔笛》から、ザラストロのアリア〈この神聖な殿堂には〉
バス:伊藤貴之さん
3日間で5回の公演を行いましたが、全ての公演を通じて合唱のレベルがとても高いことに驚かされました。声の響きがとても美しいのです✨混声でちゃんとハモれる。
名フィルさんとの共演、素晴らしい音響効果を持つホール空間で気持ちよく歌えたことと思います。

さすが「車のまち、ものづくりのまち」豊田。
美しいハーモニー、豊かな感性。
これらを大切に思う大人たちがしっかりと育んでいる。学校現場も、まちも。
豊田市駅前に位置する、豊田の顔ともいえる素晴らしい音響のコンサートホール。
そこに設置されたパイプオルガンは、その象徴なのかもしれない。
世界のTOYOTA。さすが!いい街だ。
