デンマークの思い出〜クーラウ編

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作曲家クーラウ参り
―其の弐 家を訪ねて―
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ピアノのお稽古でバイエルを修了して最初に弾いた「ソナチネ·アルバム」の1番。
「ドーーミーーソーー·ソソソ ソードーミーード·ド~~シ♪」
ピアノの発表会でも定番の曲だ。放物線を描く親しみやすい旋律に、「ドソミソ·ドソミソ」と繰り返す左手のシンプルな伴奏。弾きやすい短い曲でありながらドラマチックな変化に富んでいて、子供心によく響くお気に入りの曲だった。

作曲者はフリードリヒ·クーラウ Friedrich Kuhlau(1786-1832)。北ドイツのハンブルクとハノーファーの間にある町ユルツェンに生まれ、ハンブルクで音楽を学び、ピアニストとして活動。1810年からデンマークへ移住し、首都コペンハーゲンで宮廷音楽家として活動。デンマークにモーツァルト(1756-1791)やベートーヴェン(1770-1827)の音楽を本格的に紹介し、北欧ロマン派音楽の礎を築いた。
彼がデンマークで暮らした家は、コペンハーゲンでも最も有名な観光地であるニューハウン(Nyhavn)地区にある。

アンデルセンもニューハウン地区内で暮らし続けたというから、きっと昔からアーティストの感性を刺激する特別な場所だったのだろう。
雑誌や観光ブックでよく見る写真はこの風景だったのか、、、と納得。
クーラウが住んでいた10番地は、現在は改装されてしまっていて別の建物になってしまっており、全く面影が感じられなかったが、この景色を眺めて、この街で暮らしていたのかと思うと、わずかながらも今も変わらず残っているであろう息づかいを頼りに、少し音楽を共有した心地がする。
「この景色、何か見覚えがあるような···」と思い、帰国してから、クーラウのピアノ·ソナタの楽譜を取り出してみると、なんとその表紙の絵はニューハウンだった。

「オシャレな絵だ」ぐらいにしか思っておらず、今までずっと知らなかった。
「もしや!?」と思い、2冊並べてみると、絵が繋がるではないか!

全集は4巻まであるというので、弾くアテはないけれど、3巻と4巻を購入❗


お~、やはりそうだったか!繋がった!!!
4冊のピアノ・ソナタは、絵巻物のように繋がり、ニューハウンの町並みとなりました。


Wonderful!!
また時間がある時に3,4巻も弾いてみるかな。
ちなみに、クーラウ先生が住んでいらっしゃたのはこちらの写真の灰色のアパートだそう。

今は見ることも入ることも出来ないけれど、彼が住んでいた場所に立ち、思いを馳せるだけでも感じ入るものがある。
アンデルセン、クーラウが暮らしたニューハウン。独特の空気を持った街でした。
[おまけ]

ニューハウンのすぐ近くにあるデンマーク国立オペラハウス。
「王立歌劇場」とは別のオペラハウスです。
ホールの響きの良さもさることながら、オケもキャストも合唱も、素晴らしいクオリティでした。

オペラハウスの中。近代的でオシャレな建物でした。