人気ブログランキング |

<   2019年 08月 ( 2 )   > この月の画像一覧


車のまち、ものづくりのまち豊田でコンサート with 名フィル_e0414315_13185443.jpeg

 〈名フィル〉の愛称で親しまれている 名古屋フィルハーモニー交響楽団による『心に残る記念事業~豊田市中学生のためのコンサート』(主催/豊田市,豊田市教育委員会)。

名鉄豊田市駅に直結している「豊田市コンサートホール」に、市内の全中学校3年生「4100」が来場。遠い学校はバスで1時間半もかけて来てくれているそうです。


プログラム表紙↓
車のまち、ものづくりのまち豊田でコンサート with 名フィル_e0414315_13224359.jpeg

 今回のコンサートマスターは、長年にわたって名古屋フィルハーモニー交響楽団のコンマスを務めていらっしゃる後藤龍伸さん。


 指揮者が、これはフィガロ!ここは伯爵が登場して威嚇する感じ!このメロディーはスザンナ伯爵夫人のキャラクター、こっちはケルビーノのキャラクターでなど、思って指揮すると、「あ、そこスザンナっぽくね」「伯爵はこんな感じね」と音を作ってくださいます。


 もちろん、そういう打ち合わせや会話をしている訳ではありません。


 スザンナ!!と思って、その音色を指揮で求めると、「欲しいのはこういう音だよね?」「スザンナね!」と音で返してくれる、ということです。 後藤さん、凄いです✨


 オーケストラ全体へ張り巡らしているアンテナから、ピシピシと司令が飛んでいき、まるでオケ全体が見えない糸でつながっているような状態になります。時には弾きながら「どうすんの?」というサインを指揮者に送ってこられることもあります。


言葉ではない「空気感による会話」。

車のまち、ものづくりのまち豊田でコンサート with 名フィル_e0414315_13225705.jpeg

名フィルさんはプレイヤーも事務局も、チームワークが素晴らしいのです✨



 序曲がとてもいい感じに終わり「よし!!」と終わっても、拍手が鳴らない・・・😰

最後の音が終わって指揮台を降りて、お辞儀をするまで約7秒・・・😰😰😰


シーーーーーーンと静まり返った微妙な空気。。。


そう。「初めてオーケストラを聴く」という子がほとんどだから、拍手のタイミングもどうしたらいいのか分からない、、、このように変な間があくこともしばしばあります💦(今回は5回中3回)。


そういう時はMCで拍手の仕方についてもお話します。

車のまち、ものづくりのまち豊田でコンサート with 名フィル_e0414315_13225076.jpeg
中学生がそうなるのは理解できますが、客席には学校の先生もいらっしゃる訳で・・・。
しかも、毎年やっている事業だから先生方は何度かコンサートを聴いていらっしゃるのではないか、とも思うのです(笑)。
― ☆ ―
車のまち、ものづくりのまち豊田でコンサート with 名フィル_e0414315_16582749.jpg

専属オルガニスト:徳岡めぐみさん




 公演はオーケストラの演奏を中心に、専属オルガニストの徳岡めぐみさんによるパイプオルガンの演奏や、豊田市在住のバス歌手伊藤貴之さんの歌唱、中学生のみなさんとオーケストラとの合唱共演(ワンポイントレッスン付!)など、「心に残る記念事業」と呼ぶにふさわしい特色ある魅力的な内容でした。

車のまち、ものづくりのまち豊田でコンサート with 名フィル_e0414315_13231081.jpeg

モーツァルト:歌劇《魔笛》から、ザラストロのアリア〈この神聖な殿堂には〉

バス:伊藤貴之さん


 3日間で5回の公演を行いましたが、全ての公演を通じて合唱のレベルがとても高いことに驚かされました。声の響きがとても美しいのです混声でちゃんとハモれる

名フィルさんとの共演、素晴らしい音響効果を持つホール空間で気持ちよく歌えたことと思います。

車のまち、ものづくりのまち豊田でコンサート with 名フィル_e0414315_16334126.jpeg

 さすが「車のまち、ものづくりのまち」豊田。

美しいハーモニー、豊かな感性。


れらを大切に思う大人たちがしっかりと育んでいる。学校現場も、まちも。


 豊田市駅前に位置する、豊田の顔ともいえる素晴らしい音響のコンサートホール。

そこに設置されたパイプオルガンは、その象徴なのかもしれない。


世界のTOYOTA。さすが!いい街だ。

車のまち、ものづくりのまち豊田でコンサート with 名フィル_e0414315_16583001.jpg
三位一体の味噌カツ(笑)


by akitoku17 | 2019-08-23 16:47

 最近《魔笛》の序曲やアリアを演奏する機会があり、いろいろな資料を読み返している。今読んでいるのは『オペラのイコノロジー』という、ありな書房が発刊しているシリーズ本。一般的な解説書とは少し変った視点で作品を捉えていて興味深い。10年前に買って読んだっきりだったけれど、今読んでみると、当初とは違った読み方、感じ方が出来てさらに面白い。


「イコノロジー」とは、美術作品が表している象徴的価値や、特定の時代の文化や世界観などの深い意味などを解明する学問で「図像解釈学」と訳される。このシリーズ本は、それをオペラで試みるというものだ。

魔笛〜夜の女王の謎_e0414315_16195342.jpg

「魔笛ってどんな作品?」と聞かれて一言で説明するのはとても難しい。


「ビールってどんな味?」と聞かれて、いろいろ説明することはできなくはないが、同時に「先ず飲んでみたら?」と素直に思う(笑)。

それと同じように「先ずは一度作品を観てみて!」と本当は言いたいところだけれど、MCをするとなると、そうもいかない・・・😱


この本のプロロークには次のように記されている。

 疑似東洋風の舞台設定、神話的な大蛇、パントマイムをする動物たち、おどけた鳥人間、空中船に乗る童子、人間同士のきずな、「自由」「平等」「友愛」をめざす啓蒙主義、フリーメイソン(秘密結社)的な儀式、イタリア式アリア、民謡、バッハ風のフーガやコラール前奏曲といった実に雑多な要素を包含しながら、大掛かりな機械仕掛けによるスペクタルとともに、オペラは進行していく。(中略)作品全体のもたらす印象は、崇高であると同時に猥雑。(中略)常套的な「救出」劇は、第一幕で挫折におわり、第二幕はそれぞれが自律的「人間」へと脱皮する、いわば自己「救済」のドラマとなる。


魔笛を全く知らない人がこれを読んだら「なんじゃこりゃ~」の世界。

筆者はこう語る。


「謎」ゆえに観せられてしまうこの作品。メルヘン世界の類型的なキャラクターが、類型的なふるまいをしながら織りあげていく、支離滅裂なストーリーと、比類のない音楽。どこにもない時間と場所こそが、われわれの想像力を豊かに飛翔させてくれるだろう。



魔笛〜夜の女王の謎_e0414315_16203309.jpg

魔 笛 ―〈夜の女王〉の「謎」


目 次

      プロローク ドイツ・オペラ《魔笛》

      第1幕 異界からのメッセージ ―〈夜の女王〉

      第2幕 啓蒙主義の理想とその影 ―ザラストロとモノスタートス

      第3幕 魔法オペラか「啓蒙」の神話か ―タミーノ

      第4幕 葦笛と魔法の鈴 ―「自然人」パパゲーノ

      第5幕 エネルギーの中心点 ― パミーナ

      第6幕 《魔笛》のウィーンとベルリン ―シンケルの舞台装置

      エピローク 〈夜の女王〉の「謎」


---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------


 本の帯では、次のように紹介されている。


魔笛〜夜の女王の謎_e0414315_16202347.jpeg

 このオペラを真面目に観ると、確かに多くの不可解な事柄、訳のわからない箇所が出てくるのだけど、この本は、それらの事柄を「イコノロジー」としてみ解いていて、本当にユニークな《魔笛》論だ。


こちらは帯の裏↓



魔笛〜夜の女王の謎_e0414315_16201572.jpeg


筆者は本の中で『虚構の世界にひたすら遊ぶことの楽しさ、そしてそこに現実世界のさまざまに変形した鏡像を発見する面白さを味わわせてくれる《魔笛》という作品は、劇場という壮大な「遊び」の空間へのまたとない「入門」になるであろう。』と語っている。

 そういう見方もあるのか・・・。なるほど。


 演奏するのは序曲だけ、アリア1曲だけ、という場合でも、オペラ全体を勉強しないと「全容」と「部分」の関係が分からないので、オペラ作品を取り上げる時は譜読みや準備に相当時間がかかります・・・。


でも、この作業は「大変」というよりも「感動」なのです。


作曲から230年経っても、まったく色褪せない面白さ。

音楽で人間を、世界を、宇宙を語ったモーツァルト。凄い!



by akitoku17 | 2019-08-21 17:00