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ステマネ界のレジェンド・まっちゃん。

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桐朋オーケストラアカデミー時代の我が師匠であります。


指揮活動で師匠のお膝元に来れたおかげで、久々の再会が実現しました✨️(Go to ○○ではなく演奏活動です!)




大学を卒業してオケアカに指揮専攻生として入ったばかりの頃、、、、


思い出します。


「オメェさん、指揮者になるんだったら、裏方のことがわからねぇといい指揮者にはなれねぇよ。」


富山県の呉羽にあったキャンパスは、オーケストラアカデミーと大学院大学が併設されていて、仲間たちはもちろん、先生やスタッフの一部の方々も寮生活でしたので、濃厚な音楽漬けの毎日でした。


演奏会毎に指揮者がいらっしゃるので、指揮専攻という立場でとても勉強になったのはもちろんですが、ステマネのまっちゃんに四六時中、金魚のフンのようにくっついて過ごした日々から得たもの、教わったものは指揮のレッスンでは得られないものであり、今の自分の大きな土台になっています。



指揮の勉強はもちろん重要でしたが、オケアカで学んだ最も大きなことは裏方の仕事と大切さ。



一つの公演には、実に多くのエネルギーが結集しています。


お客様に聴いていただくまでの演奏会の組み立て方・仕込みの仕方については、音大時代に体験を通じてある程度身に身につけてはいましたが、それらの多くは内輪で受け継がれているものも多く、専門的にきちんと学んだ訳でもなかったので、プロのステマネのもとで音楽道の修行ができたことは非常に有難いことでした。


資料の作成や、ホールとの打ち合わせ、ステージのセッティングや楽器の扱い方、楽屋の準備や導線の引き方、アーティストケアなどなど、書き尽くせないぐらい多くのことをまっちゃんから教わりました。


現場だけでなく、寮に戻ってからも「キッチン6」に入り浸り、料理の手伝いをさせてもらいながら、食事をしながら、まっちゃんが語られる音楽論、人生論に傾聴し深く心に刻んでいました。



「指揮台に上がるまでの指揮者としての在り方」


「何を見るのか。何を聴くのか。何を感じるのか。その上で、どうするのか。」



その道のプロフェッショナルから教わることの大切さ。


一流ではなく、「超一流」に触れることの大切さ。


仲間の大切さ。





本当に、貴重な富山のオケアカ時代でした。


今日は師匠宅で、そんな昔の日々が蘇ったかのような目から鱗の新たな教えを授けていただき、大きな刺激をいただきました。



『芽を出せば 根の張り方が ものを言う』



この学びを、現場で生かせるよう精進しよう。


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お土産に、まっちゃんお手製「柚ジャム」をいただきました。

疲れが吹き飛ぶ美味しさ😊


大切にいただきます。



感謝。



# by akitoku17 | 2020-11-18 22:54
コロナ禍中の冒険!?「重畳〜 Chō-Jō」_e0414315_12003451.jpeg

指揮者にとって大切な楽譜=フル・スコア(演奏される全てのパートの音が記された総譜)。

「小型、中型、大型、」など、車の免許さながらにさまざまな大きさのものがある。オペラのスコアを含めて、大概のものがB4サイズで事足りるのだけれど、時々超大型や、A3サイズものがある。

2016年から出雲で取り組んでいる『連作交響神樂』プロジェクト(平野一郎作曲)は現在第5番まで進んでおり、その総譜はいずれもA3サイズだ。この大きなスコア、既存のカバンには入らないため、持ち歩くのにいつも困っていた。

そこで今回、思い切ってオーダーメイドした。
それがこの写真のカバン。

倉敷のえびす商店街にある「革工房 バロール」というお店。

素晴らしい作品重畳たる気分✨️


このカバン&SHOPについてはいろいろ思い入れがあるので、また次回ブログに挙げたいと思っている。

ー ☆ ー

8月に入り、少しずつではあるけれども各地で音楽活動・演奏会が再開されつつある。喜ばしいことだ。

指揮活動をはじめ、仕事で移動する際はなるべく電車や新幹線などの公共交通機関を利用するようにしているのだけれど、今はコロナ感染のリスクを懸念する見方が強いので、行ける範囲であれば出来るだけ車で移動している。

コロナで大変な社会混乱の最中、今年も無事にお盆も迎えることが出来たことに、ただただ感謝。


この日は天気も良く、時間もあったので、高速道路に乗るよりも下道を走りたい気分になり、新しいカバンを積んでのプチドライブ。

普段とは違った道を走り、新しい景色に触れる。
初めて出会う土地の清々しい空気感を全身で味わえるのは最高だ❗

といっても、ドライブが趣味な訳でもなく、普段このようなことをする習慣はないので、当然走り慣れていない。土地勘がないので、カーナビに「一般道路優先」で入力して指示を仰ぐ😅

本当は島根の“奥出雲おろちループ”を経由したかったのだけれど、ナビ先生の言うとおりに進むと、何やら知らない山奥の方へ案内され・・・

「これは車が通る道なのか?こんな山中を走るのか!?」

「落石注意!?土砂崩れの工事中!?」

「かれこれ1時間ぐらい人に出会ってないぞ!」

「なんだこの道は!?対向車来たらどうすっべ?」

「狭い砂利道・・・落ちたら最後だ・・・」


など、気分はMAXインディージョーンズ。

洞窟ではないけれど、リアル・グーニーズ状態(笑)。
(当然、写真を撮る余裕はない)


山中の閉ざされた空間を走り続け、だいぶ時間も経ち不安が募り始める。。。💧


とその時、山道のカーブを登った瞬間、色が変わった。
運転席の左側に広がる夕映えの景色。
コロナ禍中の冒険!?「重畳〜 Chō-Jō」_e0414315_11221987.jpeg

長い長い雑木林を抜けて差し込む陽の光。
まるでシベリウスの交響曲第2番の第4楽章のよう。


コロナ禍中の冒険!?「重畳〜 Chō-Jō」_e0414315_11274445.jpeg
緑山重畳」の記念碑の通り、まさに重畳たる山脈、重畳たる心地。

コロナ禍中の冒険!?「重畳〜 Chō-Jō」_e0414315_11235747.jpeg
しばらく道を走り、山を抜けると岡山県新見市に入った。
桃源郷のような風景。空気も美味しい。

心の内から、音楽が湧き上がってくる。
 
コロナ禍中の冒険!?「重畳〜 Chō-Jō」_e0414315_11234847.jpeg
反対側は、沈む夕陽に映し出された“天空に羽ばたく不死鳥雲”

ナビの不思議なルート設定のおかげで思いがけない体験が出来た偶然の喜び。


夢のような冒険のひと時だった。


と同時に…


スコアは地図のようなもの。己の五感を閉ざしてナビの指示に従うのではなく、きちんと自分で読み、進むべき方向を考察し、選択・決断しなければならない、という基本をあらためて感じたドライブでもあった。



# by akitoku17 | 2020-08-19 13:08

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コンサートの企画や組織運営などの舵取りに尽力するも、コロナ様の気まぐれに翻弄される日々👑


本日7月21日(火)は、ホープ・ページを立ち上げてからちょうど1カ月。


前回同様「新月」🌑



そして、土用・丑の日


一年で一番暑い日が始まるといわれるだけあって、茹だるような暑さだった。ウナギを食べることが叶わなかったので、代わりに(戴き物)をたらふく食べた。イザナギノミコト由来で「魔除け・厄除けの果実」とされる桃。

果たして、コロナ王には如何に!?🍑👑

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(懇意にしている方から頂戴した桃。「夏は桃」。鬼も泣き止む美味しさだ🍑)


『枕草子』には「夏は夜。月のころはさらなり」とあるが、

夏は桃。新月のころはさらなり」といった心地だ。


満月も素敵だけれど、姿を隠した新月もまた美しく、風情がある。「何かが顕れる」「これから新しく始まる」という闇夜の神秘さがある。

 ー ☆ ー

ステイホーム中、人には会えなくなったけれど、その分いろんな曲に出会うことが出来るのは一つの収穫だろう。


今取り組んでいるのはモーツァルトの歌劇《ドン・ジョヴァンニ》
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台本の冒頭には、第1幕の設定として「Giardino.Notte(庭。夜)」とだけ記されている。

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全てはこの夜、ドンナ・アンナの父=騎士長がドン・ジョヴァンニに殺められたことにより始まる。そして、オペラの最後では、石の像(騎士長)に招かれた晩餐の最中、改悛を拒んだドン・ジョヴァンニは地獄へ落ちる。


- 👑 -

素晴らしい作品は、見る人の想像力を刺激し、いろいろな見方・解釈の可能性を与えてくれる。


- 👑 -

父であり騎士長の死は、精神的・社会的な中心なる存在の喪失であり、世界の瓦解。

世界の秩序を保っていた「軸」を失うことによって、カオスが到来し、

人間はその中にあって新たな調和とロゴスを模索し始める。



このことが起きるオペラの第1曲目、刺された騎士長が息絶え絶えに歌う背後で流れる三連符の音楽は、後のベートーヴェンのピアノ・ソナタ第14番《月光》の冒頭にも通ずるところがある。

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- 👑 -

ところで、モーツァルトのオペラに欠かせない「レチタティーヴォ」


語ることによって物語を進めていく部分で、音の高低や音型、リズムなどで、人物の感情や状況を解することが出来る。

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「語る」といっても、ミュージカルのように「話をする」感じではなく、歌う声で音符に沿って話されるので「朗唱/歌うように語る」など訳される。


レチタティーヴォ[Recitativo]の名詞[Recita]は、「上演・公演/詩の朗読」の意味。


ラテン語の朗読「法廷での資料の朗読」や「舞台での台詞の朗読」が、イタリア語に入って、今日でも同様の意味で使われている。つまり、今日の日常語でも[(re)-citare:激しく運動させる、刺激する、召集する、召喚する]などの意味で用いられている。よって、レチタチーヴォを歌う歌い手には、こうした背景からして修辞的表現、発語のセンスが求められる。


19世紀に入って、作曲家でピアニストだったリストが「リサイタル」を開催して以来、現在でも演奏家が人々を召集して自らの音楽を語り、披露する公演は「リサイタル」と呼ばれている。現在で言う「リサイタル」」と、当時使われた「リサイタル」が同じ言葉でありながら、同じ意味で掲げられているのかどうかは不明なのだけれど。


当然ながら、指揮者は音を出さないので「リサイタル」は出来ない。

京都市立芸術大学の大学院博士課程でも、他専攻は「博士リサイタル」を開催するが、指揮は「博士コンサート」となっている。今はコロナ様が世間を騒がせておられるので、博士コンサートの計画も進まず、苦労の日々・・・


- 👑 -

話をレチタティーヴォに戻そう。


リズムと音程がついた朗唱部分には、伴奏としてハーモニーも付けられている。時にチェンバロで、時にオーケストラで。(詳細は割愛)


ハーモニーが付くと、より一層語る言葉に意味を与えることが出来る。


例えば、喜びに充ちた言葉を語る時に明るいハーモニーを付けることも出来るし、明るい言葉を語っている時に、絶望感の漂うハーモニーを付けることで、本心とは裏腹の言葉だという心情を表現することも出来る。


チェンバロで演奏する際は、楽譜に書いてある通りではなく、書いてある和音を素材としながら、演奏者の即興が加わる。この伴奏如何によって、言葉やドラマの持つ意味合いが大きく変わることもあり、音楽にも演出にも、多大な影響を与えることになる。


- 👑 -

さて、以前ブログで取り上げた「安倍首相と三原じゅん子氏の対談」の動画。


あの語りを、トランペットで語るように演奏していたのは、まさに「レチタティーヴォ」だった。言葉がなくても、日本語を理解していなくても、音楽でそれを伝えてくれる、まさに理想的なレチ。


その後、あの語りにはハーモニーが付けられた!


スーパー・レチタティーヴォ❗


【Abe vs trumpet (harmonised version)】


前回の動画と今回の動画を見比べていただくと、ハーモニーがあるかないかで、受ける印象が全く変わることを体感していただけることと思う。


【Shinzo Abe vs Trumpet】



恐るべし、ハーモニーの力❗

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ピュタゴラスによる「音楽と数の関係」についての実験

ガッフリオ「Theorica Musice」(1492)


- 👑 -

しかし、ハーモニーは同時に、気を付けなければならない。

耳に心地よいハーモニーが真実とは限らないのだ。


付けられたハーモニーは、意味を固定し、

気付かないうちに思考と感覚をある方向へと導く力を持っている。


甘い言葉で人の心を誘惑しているその裏で、

真実はいつの間にか隠され、葬られているかもしれない。


人は前を見ている時、後のものを同時に見ることができない。


だが、感じることは出来る。

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- 👑 -

心を澄ませて 耳傾けよう

(天地のるつぼ『出雲讃歌』から/詞:大岡信)


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日本最南端の有人駅「山川駅」からの眺め(鹿児島県)


# by akitoku17 | 2020-07-21 23:17
新月のホープページ!_e0414315_22385265.jpeg
(大山 DAISEN/出雲富士)



本日6月21日(日)「父の日」🎵



しかも「大安」✨️



梅雨時期に珍しく「晴天」☀️


そして一年で一番昼が長い「夏至」🌊



さらに「日食」🌔




加えて「蟹座新月」🌑



それは「旧暦 皐月一日」でもある。



夏至の日に部分日食が重なるのは江戸時代以来372年ぶりだとか。

とにかく、すごい一日でした


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国宝「神魂(かもす)神社」を参拝


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このような良き節目の日でしたので、

決意新たにホームページをリニューアル(マイナーチェンジ!)。


感謝の念を込めて、決意新たに

「Hope Page/ホープページ」と命名✨️

https://www.ongaku-koubou-kumikyoku.com



・・・だんだんオヤジっぽくなってきたか!?


そういえば、大学生の頃のニックネームは「班長」であり「パパ」でした(笑)

あの頃からオヤジだったのかもしれない。。。😎✨️


パパ=88


2020年はベートーヴェンの生誕250周年記念



彼が書いた最も小さな第8番シンフォニー。

第2楽章は「8分音符=88」


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出雲に立つ指揮者としては、須佐之男命の

「八雲立つ 八雲八重垣~」を思い起こす(古事記)。



「8」が響かせるオクターブの宇宙=



↓日食を体感しに行った出雲国府跡

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日食は、まぶしすぎてよく分からなかった💧



日食の夕刻に六所神社の境内から風にのって聞こえてきたウグイス・鳥たちの声


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ここまで来ると訪れずにはいられない

意宇杜(おうのもり)


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この向こうにうっすらと見えるのが大山(DAISEN)。

鳥取県の伯耆富士が、ここでは出雲富士と呼ばれるのも頷ける。
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お   ゑ


『意 恵』

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國引きの大仕事を終えられた八束水臣津野命(やつかみずおみづのみこと)は、どのようなお気持ちでこの景色を眺められただろうか。



新しい國引き神話は 私たちの足もとから

もう始まっている。

(天地のるつぼ『出雲讃歌』から/詞:大岡信)




いざ 心新たに 指揮道を 歩まむ!


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# by akitoku17 | 2020-06-21 23:49
世界の真ん中で輝く!?〜凄まじい反響でした。_e0414315_21544244.jpg
 首都圏の1都3県と北海道の緊急事態宣言が解除され、ようやく全国47都道府県全てが横並びになりました✨️


2月に出演した函館音楽祭の頃から新型コロナが猛威を振るい始め、まさかこのような事態になるとはゆめゆめ思わず。

個人的には2月末から、受け持っていた全ての演奏会が中止・延期になり、夏まではこの状態が続きそうで、悲しい限りです。。。

「北海道はじめ、お世話になった方々の日常が同じ程度まで落ち着くまでは・・・」と思い、FBやブログもしばらく控えてましたが、ようやく知人・友人からも春を告げる小鳥のさえずりのような、明るいメッセージや連絡が届くようになり、嬉しく思っているところです。


新型コロナ禍に呑み込まれてしまっているこの惨状、思うところはいろいろあるのですが、ボヤいても仕方ないので、、

「世界の真ん中で輝く!?」

・・・ということで、ここはひとつ、天才的なラッパ(ラップ!?)奏者Jeremy Lecomteさんの動画で、明るく、品良く、笑顔に😄

タイトルは『Shinzo Abe vs Trumpet』


(アベノマスクも)凄まじい反響でした!(笑)



# by akitoku17 | 2020-05-27 00:38